防災用の保存水の多くは内容量が500mlと2Lのものが販売されています。
同じメーカーの保存水なら中身は変わりませんが、どちらの大きさの保存水を購入したらよいか迷われる方がいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、500mlの保存水と2Lの保存水の違いと使い勝手を比較し、どちらの保存水を購入したらよいかについて解説します。
500mlの保存水と2Lの保存水の違い
500mlの保存水と2Lの保存水の違いは「価格」「ペットボトルの大きさ」「保管用の段ボール箱の大きさ」です。
価格
保存水の価格は、内容量あたりの価格(1mlあたりの価格)を比較すると2Lの方が安価です。
保存水は単品でも販売されていますが、ケース売り(500mlは24本入り、2Lは6本入り)がほとんどです。トータルの水の量は12Lなので、同じ条件で容量あたりの価格を比較すると、2Lの方が安価です。
ペットボトルの大きさ
当たり前のことですが、2Lのペットボトルの方が500mlのペットボトルより重くて大きいです。しかし、その分頑丈で潰れにくいです。
ただし、500mlのペットボトルの方が軽くてコンパクトなので、持ち運びに便利です。また、小分けになっているので個人の使用に適しています。
保管用の段ボール箱の大きさ
保存水をケース買いした場合、段ボール箱に梱包されています。保存水の保管で気にしておかなければならないのが、段ボール箱の大きさです。
段ボール箱のサイズは、保存水のメーカーによって異なります。一例として「カムイワッカ麗水(15年保存)」の500ml×24本入りと2L×6本入りの段ボール箱の大きさを比較しました。
表1. カムイワッカ麗水(15年保存)の内容量の違いにおける段ボールの大きさと重量
内容量(箱) | 幅(cm) | 奥行(cm) | 高さ(cm) | 体積(cm3) | 重量(kg/箱) |
500ml × 24本 | 36 | 25 | 23 | 20700 | 13.7 |
2L × 6本 | 33 | 19 | 31.5 | 19750.5 | 13.0 |
表1より、カムイワッカ麗水(15年保存)では、2Lの方が体積が小さく省スペース、かつ軽いです。この理由は、500mlの方が2Lに比べてペットボトルの本数が多い分、ボトル自体の大きさでかさばり、重さが増すためだと考えられます。
また、2L×6本入りの段ボールの方が軽いだけでなく、縦長の形状で持ち運びがしやすいです。
なお、保存水は段ボール箱に入っていることで、運びやすいだけでなく、外気温が伝わりにくく、外部からの衝撃を減らすことができます。保存水を備蓄しておく際は、防災リュックや非常用持ち出し袋に入れるものを以外は、段ボールに入れておくことが望ましいです。
・2L×6本入りの段ボール箱の方が省スペースかつ軽い
・2L×6本入りの段ボールの方が縦長の形状で持ち運びやすい
使い勝手の比較
500mの保存水と2Lの保存水の使い勝手を比較しました。
500mlの保存水
500mlの保存水は持ち運びに便利です。そのため、防災リュックや非常持ち出し袋に数本入れておくのに適しています。また、500mlのペットボトルの大きさと重さなら、子どものリュックにも入れることができます。
500mlの保存水が2本程度であれば2Lに比べてかさばらず、非常持ち出し袋や防災リュックの中を圧迫せず、他の防災グッズを入れるスペースを確保することができます。また、2Lと比べて小分けされているので、コップがなくても1本ずつ分け合うことができます。
また、500mlの保存水は2Lの保存水に比べて容量が少ないので、そのまま口をつけて飲むことができます。保存水に限らず、ペットボトル飲料や缶飲料は、一度開封して口をつけると雑菌が繁殖するので、残った飲み物が痛みやすくなります。しかし、内容量が500mlだと飲み切る時間が短いため、雑菌などが繁殖しにくく衛生的です。
さらに、空きの500mlのペットボトルは、飲み終えたら個人の水筒やコップ代わりとしても使えます。
・持ち運びやすい
・そのまま飲んだり分け合いやすい
・飲み切る時間が短いので雑菌などが繁殖しにくく衛生的
2Lの保存水
2Lの保存水は備蓄用に便利です。また、500mlよりも容量あたりの価格が安価なので、大量購入に適しています。
2Lの保存水は飲み水だけでなく、調理や手洗いなど生活用水として利用できます。また、野外でテントを設営する際は重石(おもし)としても使うこともできます。
さらに、空きの2Lのペットボトルは、給水車に水をもらう時や、生活用水の水を汲んで保管だけでなく、容器を切って即席のお皿やコップを作るなど、さまざまな用途に使うことができます。
・500mlの保存水に比べて価格が安価
・空き容器は生活水の汲み取り容器だけではなく、さまざまな用途に使える
まとめ
500mlの保存水は「非常持ち出し用」がおすすめ
2Lの保存水は「自宅の備蓄用」がおすすめ
・持ち運びやすい
・そのまま飲んだり分け合いやすい
・飲み切る時間が短いので雑菌などが繁殖しにくく衛生的
・500mlの保存水に比べて価格が安価
・空き容器は生活水の汲み取り容器だけではなく、さまざまな用途に使える
水は生きるために大切ですが、非常持ち出し袋や防災リュックに水を入れすぎると重くて避難が遅れるリスクが高くなります。
避難時の持ち運びには500mlの保存水を数本にとどめて、残りは備蓄して、安全を確認してから自宅が無事なら取りに帰るようにしましょう。